駐輪場屋根の種類について
- サイクル営業G
- 2024年3月8日
- 読了時間: 4分
更新日:10月28日
自転車置場は自転車やバイクなどを停めるスペースとして駐輪場(ちゅうりんじょう)と呼ばれ、車を停めるスペースである駐車場(ちゅうしゃじょう)と区別されます。
駐輪場では、自転車やバイクを雨や雪から守る目的として、屋根を設置することが一般的です。駐輪場屋根は、駐輪場上屋(うわや)は、サイクルハウス、サイクルポート等とも呼ばれています。ちなみに、サイクルハウスという名称は、鋼鈑商事が商標登録を持っていますので、他社で使用することはできません。
駐輪場屋根の材質には、大きく分けてスチール系とアルミ系があります。テント式やコンクリート系もありますが、世の中で多い仕様としては、スチール系・アルミ系です。
鋼鈑商事では、スチール系仕様の駐輪場屋根『サイクルハウス』を製造・販売していますので、スチール系を中心に話を進めます。
地域環境ごとの強度基準への適合
駐輪場屋根を選定するときにまず大切なことは、設置する地域環境を適合することです。
なぜなら、設置する地域の建築基準法に適合した商品を選択しない場合、その駐輪場屋根は違法となってしまうからです。
例えば、積雪の多い場所は『積雪強度』、風の強い場所や海の近い場所は『風圧力』、地盤の弱い場所は『地盤の許容応力度』、などの条件があります。基準風速早見表のように各市町村ごとに一覧に出ている資料もあるのでまずは、確認が必要です。
駐輪場屋根の広い範囲での屋根材の種類

最初に述べたように、どのような素材で駐輪場屋根を作るのかについては、当然強度も関係してきます。
〇スチール系
他の材質と比べて重厚感があり堅牢は仕様となっています。コストと強度のバランスが良い製品が多いです。コーティングにより鉄が錆びにくい材質になっていることが多いです。
〇アルミ系
軽く錆びにくく、加工がしやすいという特徴があります。一般的にアルミは鉄と比べて強度が低くなります。
〇ポリカーボネート系
軽量で耐久性があり、光を透過するので屋根の下が明るく開放的になります。ただし金属ほどの強度はありません。
駐輪場屋根の柱位置の種類

駐輪場屋根は、地面と固定された柱によって支えられています。屋根と柱の位置関係から、後ろ柱(片流れ式)、中柱(T型式)、4本柱として区分されます。それぞれの柱位置と特徴は次の通りです。
○後ろ柱
敷地(有効スペース)を無駄なく使用できます。
○中柱
自転車置場の中心部分で屋根を支えることで、コンパクトで経済的。自転車の将棋倒しを防いでくれます。※柱を固定する基礎形状も後ろ柱仕様に比べて小さくできます。
○4本柱
前後を柱でしっかり支え、積雪地域にも対応可能です。
駐輪場屋根の柱支え仕様の種類
鋼鈑商事では、地面と柱の固定方法として、ガセットプレート仕様、埋め込み仕様、ベースプレート仕様を用意しています。それぞれの柱支え方法は次の通りです。ただし、サイクルハウスの型番により提供できない仕様もあります。
○ガセットプレート仕様
支柱にL型のプレート2枚を通しボルトで取り付けて固定します。
○埋め込み仕様
支柱を基礎(ボイド抜き)に差し込んで組み立て固定します。
○ベースプレート仕様
支柱に□プレートを溶接して固定します。
スチール系屋根材の種類
鋼鈑商事では、駐輪場屋根の屋根材としてスチール系を使用していますが、スチール系でもいくつか種類があり、塩ビ鋼板、カラー鋼板、制震鋼鈑を用意しています。
○塩ビ鋼板
亜鉛メッキ鋼板の表裏面に樹脂の単層被膜を付着した複合材料です。表裏面に傷が付きづらく耐食、耐候性と美しい色調を兼ね備えています。
○カラー鋼板
コストパフォーマンスに優れています。
○制震鋼板
溶融亜鉛メッキ鋼板の鋼板の間に樹脂をサンドイッチして騒音の発信源での振動を抑えて騒音を減らします。
鋼鈑商事の駐輪場屋根『サイクルハウス』の屋根材は、すべて不燃材料認定を取得しています。
まとめ
以上のことを考慮し敷地の面積、高さ、収納したい自転車台数を計画していくことが必要です。また、設計段階で忘れがちなこととして通路及び自転車の引き出しスペースがあります。
窓先空地等の規制や避難通路としての一定数の通路幅確保も地区、設置場所により決まられています。建築基準法に違反しないようしっかり確認して計画を進める必要があります。
自転車置場の選択、収納台数の確保等、自転車置場、サイクルラックに関してお困りのことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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